会計監査人の設置義務とは?公益法人の基準をわかりやすく解説

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公益社団法人・公益財団法人の経理担当者や税理士の方の中には、「会計監査人の設置義務が自分の法人にも関係するのか」が気になっている方もいるのではないでしょうか。会計監査人の設置は、一定規模以上の法人にのみ義務づけられる制度ですが、2025年4月の公益法人制度改正によって、その基準が見直され、対象となる法人の範囲が広がりました。本記事では、会計監査人の役割や設置義務の基準、実務上の注意点について、初めてこのテーマに触れる方にもわかりやすく解説します。

会計監査人とは何か

会計監査人とは、法人の計算書類(財務諸表)が適正に作成されているかどうかを、法人の内部の監事とは別に、外部の専門家の立場から監査する機関です。会計監査人になれるのは公認会計士または監査法人に限られており、株式会社における「会計監査人」と基本的に同じ位置づけの機関と理解しておくとよいでしょう。

公益社団法人・公益財団法人、および一般社団法人・一般財団法人においても、一定の規模を超える法人は、ガバナンスの透明性・適正性を確保する観点から、会計監査人の設置が法律上義務づけられています。会計監査人を設置することで、計算書類の信頼性が高まり、社会からの信頼にもつながります。

公益法人における会計監査人の設置義務の基準

公益社団法人・公益財団法人は、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(公益法人認定法)に基づき、原則として会計監査人を設置することが求められています。ただし、法人の規模が一定水準に達しない場合には、設置義務の対象外(適用除外)とされています。

従来の基準

従来の基準では、次の①〜③のいずれにも該当しない法人は、会計監査人の設置義務の対象外とされていました。

① 収益の額が1,000億円以上
② 費用及び損失の額の合計額が1,000億円以上
③ 負債の額が50億円以上

つまり、これらのいずれかに該当する大規模な法人のみが、会計監査人の設置義務の対象となっていました。

2025年4月の制度改正による基準の見直し

2025年(令和7年)4月1日に施行された公益法人制度改正により、会計監査人の設置義務の適用除外となる基準が見直され、次のように引き下げられました。

① 収益の額が100億円以上
② 費用及び損失の額の合計額が100億円以上
③ 負債の額が50億円以上

この改正は、従来の「収益・費用1,000億円以上」という基準に該当する法人が実際には数法人しか存在せず、実態と基準が大きく乖離していたことを背景に行われたものです。基準の引き下げにより、これまで対象外だった中規模程度の公益法人も、新たに会計監査人の設置義務を負う可能性があります。

なお、この改正に伴う新しい財務基準については、2028年(令和8年)3月31日までの期間において、法人の選択により従来の基準を適用できる移行措置が設けられています。自法人がいつから新基準の対象になるかは、提出済みの事業計画や直近の決算数値によって異なるため、所轄庁への確認や顧問税理士・公認会計士への相談をおすすめします。

一般社団法人・一般財団法人における設置義務との違い

公益認定を受けていない一般社団法人・一般財団法人についても、会計監査人の設置義務が定められている点に注意が必要です。一般社団法人及び一般財団法人に関する法律では、最終事業年度に係る貸借対照表の負債の額が200億円以上となる法人は「大規模一般社団法人」「大規模一般財団法人」とされ、会計監査人の設置が義務づけられます。

公益法人の基準(収益・費用100億円、負債50億円)と一般法人の基準(負債200億円)は、根拠となる法律も数値も異なります。公益認定を受けている法人であれば公益法人認定法上の基準が適用されるため、両方の基準を混同しないよう注意しましょう。

会計監査人を設置する際の実務上の注意点

自法人が設置義務の基準に該当する、あるいは該当する可能性が出てきた場合、実務上は次のような点を確認・準備しておくことが望まれます。

まず、会計監査人の監査を受け入れるためには、計算書類や会計帳簿を監査に対応できる形で整備しておく必要があります。監査には相応の準備期間がかかるため、基準に該当しそうだと分かった時点で、早めに顧問税理士や監査法人へ相談しておくと安心です。

また、会計監査人の設置は定款変更や登記、社員総会・評議員会での選任決議など、ガバナンス上の手続きも伴います。監査対応のための体制整備だけでなく、法人内部での意思決定プロセスについても、あらかじめ確認しておくことが大切です。

基準に該当するかどうかの判定は、直近の収益・費用・負債の金額だけでなく、どの時点の決算数値を基準とするかなど細かいルールが関わるため、自己判断で「対象外」と決めつけず、所轄庁(内閣府または都道府県)や顧問税理士・公認会計士に確認することをおすすめします。

まとめ

会計監査人は、法人の計算書類の信頼性を高めるために、一定規模以上の法人に設置が義務づけられる外部監査の仕組みです。公益社団法人・公益財団法人では、2025年4月の制度改正により、設置義務の適用除外基準が「収益・費用100億円以上、負債50億円以上」に引き下げられ、対象となる法人の範囲が広がりました。一方、一般社団法人・一般財団法人では、負債200億円以上という別の基準が適用されます。

自法人が会計監査人の設置義務の対象になるかどうかは、決算数値や移行措置の適用状況によって判断が分かれるケースもあります。本記事の内容は2025年10月時点で確認できた情報に基づくものであり、今後の運用や細部の取扱いが変更される可能性もあるため、最新の基準については内閣府の公益法人information(koeki-info.go.jp)や所轄庁、顧問税理士・公認会計士にご確認ください。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の会計処理・税務判断についての助言ではありません。実際のご対応、記事についての実務的なご質問は、顧問税理士・公認会計士または所轄の行政庁にご確認・ご相談ください。

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